軍国主義に翻弄された歴史

 日本人のお酒の飲み方が激変したのは、瓶詰めの日本酒が出回るようになってからのことです。
しかも、醸造酒としての本来の役割を担う理想的な飲み方でした。

 しかし、軍事色が色濃くなっていくと、酒造米は配給制で、食糧難ときていましたので、お米でお酒を造ることなど許されるはずも無いことでした。
価格統制の下、いいものも悪いものも価格統制では、三増酒の量産主義となっていったのです。
戦時下という背景もありますが、飲んで悪酔いすることや、体に悪いと知りつつもアルコールを追い求めていった国民の姿がありました!

 飲めば悪酔いがするという負のイメージは、ここから始まるのです!
しかも、醸造酒の日本酒に、酔いを求めはじめていくという時代背景があるのです!
お酒の質が悪いのに拍車をかけて、酔いを求めるからには量をジャブジャブ飲み干すしかないというのみ方に変貌していったのです!
戦後復興のストレス社会では、仕方の無いのかもしれません。
昭和43年になってようやく酒造米の配給制度が終り、酒蔵は競って美味しい日本酒造りにまい進していくのですが。

 一方の飲み手は、長年続いてきた年に数回ほどの「飲んだらとことん飲む!」という貴重だった時代の飲み方の遺伝子が頭をもたげてきて、もう一方の作り手は、酒蔵の近代化が進み、より効率性を求めてた昭和40年代、「短期蒸し理論」という製法理論が編み出してしまったのです!
そして最悪の液化仕込みが開発され、市場に出回っていくのです!この時代は高度成長期!
大量のアルコール添加をして三増酒にすることを前提としているにもかかわらず、消費され続けていった!のですから後の祭りです!

 こんな酒をなぜ消費者は欲したのでしょうか?
まだまだ生活に余裕のなかった高度成長期に、美味しさやそこそこの酔いを求めるというより、泥酔する飲み方を正当化してしまった! 
飲めば悪る酔いする劣悪品を消費し続けた人々は、本当に美味しい日本酒を知らないまま、今日に至っているのです!
焼酎やワインが新鮮なイメージを打ち出し、じわじわと勢力を拡大する中、日本酒は若い世代を中心に「甘ったるい」「おやじ臭い」「二日酔いする」といったイメージを払拭できなかった。

 朗報といえば今回の酒税改革でやっと、三増酒は清酒として認められなくなったのです!
あたり前の話で、いままで清酒として認めてきたのがおかしいといわざるを得ないのです!

 これで少しは、日本酒の負のイメージは払拭されると思うのは楽観的過ぎます。
なぜなら、地に落ちた信頼を回復するのは容易なことではありません!日本酒本来の飲み方に戻る必要もあります!
 
 まだまだ、背負った十字架の重みから、抜け出すには多くの試練が待ち構えているのです!☆

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